「婚姻を継続しがたい重大な事由」の具体例

性格の不一致

離婚理由で最も多いといわれているのが「性格の不一致」です。

夫婦とはいえ、生まれも育ちも違う他人同士であることから、性格や価値観がある程度異なるのはむしろ当然のことです。

また、性格や価値観について、いずれが正しいのかなどの判断をすること自体が困難であるともいえます。

従って、「性格の不一致」という理由だけで離婚を請求したとしても、「婚姻を継続しがたい重大な事由」には該当しないと判断されることが考えられます。

性格の不一致が原因となり、一緒にいると精神的に抑圧されるほど愛情を喪失している場合や、客観的に見て円満な婚姻生活が維持することが期待できない場合のみ、離婚の請求が認められています。

暴力沙汰・暴言・侮辱

家庭内での暴力行為や虐待は、婚姻を継続しがたい重大な事由の代表例だといえます。

たった1回の暴力であっても、怪我の具合、動機やその他の言動からみて、離婚原因となることもあります。

また、離婚原因となるのは、身体に対する暴力だけではなく、言葉による暴言や侮辱なども含まれます。

昨今問題となっているモラルハラスメント(モラハラ)もこれに含まれるものと考えられます。

性的な不満、性的異常

夫婦の性生活は円満な婚姻生活の重要な要素として認識されています。

過去の裁判で認められたものとして、SMのような行為の強要や、異常な性欲で拒絶すると暴力を振るうなど、相手の意思に反して継続して強要する場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由として認められています。

また、夫の性的不能や、相手に対して性的関心を示さない(セックスレス)、同性愛者であることを隠して結婚した場合なども、その改善が期待できず、性生活のために夫婦間の愛情が失われ破綻に至ったと判断されれば、離婚原因として認められています。

配偶者の親族等との不和

夫婦間には特に離婚の原因はないものの、配偶者の親族との不仲から離婚に至るケースも少なくありません。

配偶者の親族等との不和は、それだけの理由では離婚請求が認められません。

ただし、妻が同居する夫の両親との不和を改善しようと努力しているのに、夫が間に入ってくれず無関心であったり、両親に加担して妻につらくあたったりするなどという場合には、夫に婚姻破綻の責任があると判断され、離婚が認められることがあります。

信仰・宗教上の対立

信仰および宗教活動の自由は憲法で保障されているため、信仰の違いだけでは離婚原因として認められません。

ただし、宗教活動にのめりこみ、頻繁に外出して仕事や家事・育児などをおろそかにして家庭崩壊を招くなど、節度を超えた宗教活動などは離婚原因として認められています。

ギャンブルや浪費

健康な夫が働こうとせず、浪費して消費者金融から借金をしたり、ギャンブル癖があり収入をつぎ込んで長期間家庭に生活費を入れなかったりした場合は、「悪意の遺棄」にあたるものとして離婚原因に該当します。

また、返済できる見通しがないにもかかわらず借金をしてその返済を配偶者に求めたり、家計が経済的に破綻するほどの高価なブランド品を購入したりするなど、円満な婚姻関係が継続できないと判断されれば、離婚請求として認められます。

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