借りた金を返さないのは詐欺か

相談者から「友人から『絶対に返す。迷惑はかけないから金を貸してほしい』と頼まれたからお金を貸したのに返してくれない。これは詐欺ではないのか。」といわれることがあります。

相談者にすれば、その友人が「絶対に返す」「迷惑はかけない」と言ったから貸したのに返済してくれないという意味では「だまされた」という気持ちが強いため、「だました=詐欺」というように考えるのでしょう。

そのお気持ち自体は理解できるのですが、弁護士の立場からすると、このような場合には「だまし取った金を返せ」というよりも「貸した金を返せ」とした方がよいケースがほとんどです。

友人が詐欺行為を行ったという場合、その友人には「お金を借りる時点で返済する意思も能力もなかった」ということが要件になります。

そして、そのことを相談者自身が証明する必要があります。

友人が金を借りる時点で「実際には返済する意思はなかったのだ」ということを証明することは至難の業です。

しかし、貸した金を返せという場合には、「友人との間で返済するという合意があった」ということを証明すれば足ります。

現にその友人が「絶対に返す」と言っていたのであれば、この点は容易に証明することができます。

また、その友人が少しでも返済したことがあるという場合には、「金を借りた時点で返済する意思はなかった」ということとは矛盾する行動ですので、詐欺には該当しないという判断になります。

他方で、「返済する合意があったからこそ実際に返済したのだ」ということがいえますので、この点でも貸した金を返せといったほうがよいということになります。

このように、相談者のお気持ちと弁護士が選択する方法とが必ずしも合致しないケースがあります。

しかし、「金を取り戻す」という目的自体は同じです。

そして、その目的を達成するための最善の方法を提案するのが弁護士の役目です。

決して相談者のお気持ちをないがしろにしているわけではありません。

相談者ご自身の考えている方法とは別の方法を弁護士が選択しようとしていることについてご不明な点がある場合には、納得がいくまで弁護士に説明を求めるべきだと思います。

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