顧問弁護士をつけることのメリットとは何か

会社の経営や事業を行っている場合に、従業員や取引先との間で何らかのトラブルが発生することは避けられません。

それを想定して

「うちも顧問弁護士をつけた方がいいのか?」

と考えることもあろうかと思います。

そのようなときに頭に浮かぶのは

「そもそも顧問弁護士は必要なのか?」

「顧問弁護士をつけることにメリットはあるのか?」

ということではないでしょうか。

そこで、今回は顧問弁護士のメリットについて書いてみたいと思います。

顧問弁護士がいない場合

弁護士に法律相談をしようとする場合、通常は、

  1. どの弁護士に相談するかを判断
  2. 法律事務所に連絡
  3. 相談の可否(利益相反の有無)を確認
  4. 相談料を確認
  5. 日程調整
  6. 相談

という流れになります。

このような流れで法律相談を行うだけでも相当の日数がかかってしまい、場合によっては抱えていた問題が悪化してしまうということも考えられます。

また、ご相談の際にも、相談内容によっては、まず自社の業務内容の説明に多くの時間を割いてしまいます。

そして、時間がかかってしまうということは、お支払いいただく相談料も次第に高額になってしまうということを意味します。

さらに、相談が終わった後にその弁護士に依頼するか否かを改めて検討する必要があります。

依頼するという場合には、その弁護士に支払うことになる費用(着手金・報酬・日当など)がどのくらいかかるのかを確認する必要があります。

もし同じ弁護士に別の案件を相談したり事件処理を依頼したりする場合には、全く別の事件ということになりますので、その都度費用がかかってしまうことになります。

 

顧問弁護士がいる場合

このような問題については、弁護士と顧問契約を締結しておくことにより、すべてメリットに変えることができます。

 すぐに相談可能

顧問契約を締結することで、1~4の過程を経ることなく、顧問弁護士に電話して、すぐに法律相談をすることが可能になります。

弁護士に相談すべき法律問題かどうかといった判断に迷うまでもなく、お気軽にご相談いただけます。

業務内容や社内事情を事前に把握

顧問契約を締結している場合、顧問弁護士は顧問先の業務内容や社内事情を事前に把握しています。

その意味では、自社の業務内容の説明に多くの時間を割くということがありません。

相談の初めの段階からスムーズに本題に入ることが可能となります。

法律相談料は無料

顧問契約の基本的な内容は法律相談や契約書のチェックなどですが、これらの基本的な内容についての費用は顧問先からお支払いいただく顧問料にすべて含まれています。

したがって、弁護士に対して、相談時間や回数などを気にされることなく、何度でも相談していただくことが可能になります。

なお、弁護士によっては、相談の回数や時間を制限している場合があります。

その制限を超える場合には別途相談料が発生する場合があります。

弁護士と顧問契約を締結する場合には、この点について十分に確認する必要があると考えられます。

訴訟などの場合の弁護士費用の減額

発生した問題によっては、相手方との交渉や訴訟などの手続を経る必要があることもあります。

その場合は顧問料とは別に弁護士費用(着手金・報酬)をお支払いいただくことになります。

もっとも、顧問契約を締結している場合には、事案の難易度やお支払いいただいている顧問料の金額などを踏まえて一定の減額をしている弁護士がほとんどです。

取引先との交渉や訴訟案件の処理のための顧問弁護士を検討しているという場合には、弁護士費用の減額がどのように行われているのかを確認しておくことをおすすめします。

より良い契約交渉や紛争解決を図る

業務内容や社内事情を事前に把握している弁護士に対していつでも相談できるということは、契約交渉の際には紛争になりがちなポイントを事前に顧問弁護士から指摘を受けることができるため、より良い契約交渉を行うことができます。

また、実際に紛争が発生した際、当事者としては冷静な判断ができないことが多いのですが、顧問弁護士の場合は発生した紛争を第三者・専門的な観点から冷静に分析して紛争解決の方向性をアドバイスしますし、実際に代理人として紛争解決のための交渉を行うことも可能です。

信頼関係の構築

弁護士は、依頼者との信頼関係をいかに構築し維持していけるかによって、依頼者の利益を図るための必要かつ十分な活動ができるかが決まるといっても過言ではありません。

しかし、依頼者との信頼関係を構築するには当然時間がかかりますし、その信頼関係を維持していくにも緊密な連携を継続していく必要があります。

弁護士と顧問契約を締結し、継続的に相談したり、交渉や訴訟遂行を委任したりすることは、相互の信頼を深め、長期的な信頼関係を構築・維持することが可能となります。

法務コストを軽減

企業によっては優秀な法務担当者を採用しておられることもあるでしょうが、法務部の機能を維持するのは企業にとってはコストの負担が大きいと思われます。

また中小企業にとってはそもそも法務担当者が必要なのかといった場合もあると思われます。

顧問弁護士は、企業規模にもよると思われますが、企業の法務部の全部または一部としての機能を果たすことができます。

また、お支払いいただく顧問料は、法務担当者一人を雇用する場合と比較すると極めて低コストであると考えられます。

事業に専念

トラブルが発生した場合、その対応に多大な時間と労力が割かれてしまいます。

その対応を代表者自身が行うという場合、本来行うべき営業活動が行えなくなってしまうことになりますが、これによる損失は図り知れません。

このような場合に顧問弁護士にご相談いただき、トラブルの解決を委任していただくことによって、経営者は本来の営業活動に専念していただくことができます。

節税対策

法律顧問料は全額経費として処理できますので、節税対策にもなります。

「顧問料としては高いのではないか」と思われることもあるかもしれませんが、総合的・長期的な視点で考慮していただくと、決して無駄なコストにはならないと考えられます。

福利厚生

「顧問料が月額20,000円だとしても、通常の法律相談料として30分5,000円であることからすると毎月2時間分の法律相談料を支払うことになる。しかし、毎月2時間も法律相談をするとは限らないので、顧問弁護士は必要ない。」と考えられることもあるでしょう。

しかし、弁護士によっては、顧問契約の内容として、顧問先の役員や従業員の相談であっても、顧問先との間で利益相反関係がない場合には、法律相談を無料で対応している場合があります。

最後に

以上は一般的にいわれている顧問弁護士のメリットです。

ただ、弁護士と依頼者との間では信頼関係が大事です。

弁護士の中には、ビジネスライクに「顧問契約書ではこうなっている」とはいわずに、深い信頼関係ができている場合には「顧問契約書ではこうなっているけど、今回はこうしましょう」とさらにサービスしようとする者もいます。

ですから、顧問弁護士を選ぶ場合には、深い信頼関係を構築・維持できそうな弁護士を会社経営者としての眼で見つけていただければと思います。

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