債権回収

  • 売掛金を支払ってくれない。
  • 工事代金を支払ってくれない。
  • 貸した金を返してくれない。
  • 信用して預けたお金を返してくれない。

このような金銭トラブルは、企業や個人であるかを問わず、誰にでも、いつでも起こり得る、ごく一般的な問題です。

しかし、「実際にどのような方法をとれば支払ってもらえるのだろうか」と悩んでおられるのではないでしょうか。

債務者が支払わない理由

現在、取引先が約束したお金を支払ってくれないことに悩んでおられることでしょう。

中には、取引先の態度に怒っている方もいらっしゃるかもしれません。

では、「なぜ支払わないのか」ということを、逆の立場になって考えてみてください。

あなたが取引先から代金の支払いを要求されているとします。

あなたはなぜ取引先に代金を支払っていないのでしょうか。

  1. はじめから代金を支払う意思がなかったからですか?
  2. 取引先を困らせてやりたいという、嫌がらせのためですか?
  3. 取引先の商品やサービスに納得ができないからですか?

おそらく、1や2の理由で代金を支払わないという方はいらっしゃらないでしょう。

3の理由で代金を支払わないというのであれば、それを取引先に告げて改善を求めていることでしょう。

それでもなお代金を支払っていない理由は何でしょうか?

「代金を支払うお金がないから」ではないでしょうか。

私が債権者の代理人として売掛金や工事代金、貸金などの請求をした場合、実に8割以上の債務者が「支払う意思はあるが、今はお金がないから支払えない。」というものでした。

今、あなたが請求しているお金を取引先が支払うと約束していたにもかかわらず支払っていないのは、同じように「今はお金がないから支払えないから」ではないかと思われます。

「銀行からの融資が下りれば支払えるから、それまで待ってほしい。」

「月末に大きなお金が入ってくる予定だから、その後に支払う。」

などといって、あなたに対する支払いを延ばしているのは、「お金がないから支払えない」といっているのと同じことだといえます。

債権回収のポイントは「スピード」

あなたが取引先から支払ってもらえていないのはいつからですか?

昨日からですか?

先週からですか?

先月からですか?

もっと前からですか?

「必ず払うからもう少し待ってくれ」

「別の取引先から入金されたら支払う」

などといわれて時間が経過すればするほど、あなたが取引先から支払ってもらえる可能性は下がり続けています。

なぜなら、取引先があなたに対して言っていることを、他の債権者に対しても言っているからです。

そして、本来であればあなたに対して先に支払わなければならないはずなのに、厳しく催促している別の債権者に対して先に支払っているかもしれないのです。

「お金がないから支払えない」という場合、そのほとんどが複数の債権者から催促を受けています。

つまり、取引先のことを信用して待ち続けていると、取引先の資金繰りは次第に悪化していき、あなたが支払いを受ける段階では、既に支払い能力がなくなっているということもありえます。

したがって、取引先が約束の期限までに支払いをしないという場合には、速やかに債権の回収に着手しなければならないのです。

債権回収に不慣れな場合には効果的な方法が選択できない

「すぐに回収しないと手遅れになってしまうのはわかっている。でも、催促しても取引先が支払ってくれないから困っているんだ。」というお叱りを受けるかもしれません。

では、あなたはどのような方法で回収しようとしているでしょうか。

請求書を郵送しただけでしょうか。

電話やFAXで催促しているのでしょうか。

自宅や職場に取り立てに行ったでしょうか。

その結果、回収できたでしょうか?

あなたご自身が催促したとしても、取引先はあれやこれやと言い逃れをして支払おうとしなかったのではないでしょうか。

なぜ回収できなかったのか、それは「あなたの本気度が取引先に伝わらなかったから」です。

ここで、改めて、あなたが逆の立場になって考えてみてください。

あなたが支払っていない代金を回収するために、取引先から最もとられたくない手段は何でしょうか。

それは、「差押え」ではないでしょうか?

あなたの土地・建物といった不動産、預貯金・現金、取引先に対する売掛金などを差し押さえられることではありませんか?

どのような企業であれ、また個人であれ、裁判所からの命令により財産を差し押さえられるということは、財産を強制的に取り上げられるという意味での経済面・経営面でのダメージを受けるだけでなく、取引先や銀行などの第三者からのイメージダウンにもつながります。

そのことは、事業者としての信用を失墜させ、場合によっては事業の継続自体が不可能となりかねません。

しかし、あなたが請求書を郵送したり、電話やFAXで催促したりしているだけであれば、取引先は財産を差し押さえられることはありません。

つまり、取引先に対して言い逃れをする時間を与えているだけで、効果的な方法とはいえないのです。

弁護士に債権回収を依頼した場合のメリット

では、あなたが取引先に対する債権の回収を弁護士に依頼した場合、どのようなメリットがあるでしょうか。

債権回収に向けて速やかに着手することができます

債権回収のポイントはスピードです。

取引先の経営状況や回収可能性などを十分に検討し、最適かつ効果的な手段を決めた後、速やかに着手することができます。

なお、私は最短で即日対応可能としていますし、メールでのご相談も受け付けています。

他の弁護士とは違い、面談相談の予約のための日程調整を割愛し、相談内容の聴取もメールでのやりとりを行うことができますので、よりスピーディーに着手することができます。

取引先に対してあなたの本気度を示すことができます

もしあなたが弁護士から「取引先から債権の回収を依頼された」との連絡を受けた場合、どのように感じるでしょうか。

「もし支払わなければ、裁判を起こされる」と思いませんか?

そして、裁判を起こされるということは、その後に財産を差し押さえられるかもしれないと思いませんか?

また、「取引先が弁護士を立てたのであれば、こちらも弁護士を立てなければならない」とも思いませんか?

つまり、弁護士から、取引先に対して、あなたから債権回収の依頼を受けたという事実を伝えるだけで、取引先はあなたの債権回収に対する本気度を示すことができるのです。

取引先の状況に応じた適切な手段を採用することができます

債権の回収=民事裁判というイメージを持つ方は多くいらっしゃいます。

そして、「民事裁判は時間がかかる」というイメージもあることでしょう。

しかし、弁護士が債権回収の依頼を受けた場合、必ず民事裁判を起こしているわけではありません。

取引先の状況によっては、交渉により回収を図ったり、内容証明郵便を弁護士名で発送したり、取引先が立てた弁護士と協議したりすることにより、債権の回収を図ることもあります。

むしろ、これらの手段によっても解決が見込めない場合に限って、民事訴訟による解決を図っているのであり、その割合は低いといっても過言ではありません。

あなたからお聞きする内容を踏まえて、債権の回収のために最も効果的かつ適切な手段は何かということを十分に検討し、あなたにもご納得いただけるように説明したうえで、債権の回収に着手することになります。

民事訴訟や強制執行を適正かつ円滑に遂行することができます

民事訴訟については、「一般人には難しい」「面倒くさそうだ」というイメージをお持ちではないでしょうか。

たしかに民事訴訟は高度の専門性が必要になります。

だからこそ、専門家である弁護士がいるのです。

また、民事訴訟により勝訴したからといって、取引先が判決に従って支払ってくるとは限りません。

そのような場合には、財産の差押えといった強制執行を行う必要があります。

この強制執行についても、高度の専門性が必要になります。

弁護士が債権回収の依頼を受けた場合には、民事訴訟により勝訴判決を受けるだけではなく、その後の強制執行により債権の回収を図ることができるかということまで視野に入れています。

したがって、勝訴判決を受けた後に速やかに強制執行を行うことにより、適正かつ円滑に債権の回収を図ることができるのです。

債権回収の流れ

取引先に対する受任通知や内容証明郵便の発送

あなたから債権回収の依頼を受けた場合、取引先に対して、債権の回収についての依頼を受けた旨の「受任通知」を発送します。

場合によっては、取引先に対してより強いインパクトを与えるために、内容証明郵便を発送します。

これにより、弁護士が取引先との交渉の窓口になりますので、あなたはご自身の事業経営に専念していただくことができます。

取引先やその代理人との交渉

受任通知や内容証明郵便に対して取引先から何らかの回答があった場合、そのまま債権の回収に向けた交渉を行うことになります。

また、取引先も弁護士を立てることもありますが、その場合にはその弁護士と交渉することになります。

中には「取引先が弁護士を立てたら、債権の回収ができないのではないか」という疑問を持つ方もいらっしゃいます。

しかし、実際にはそうではありません。

取引先があなたに対して支払うべき代金を支払っていないという場合には、必ず理由があります。

もし資金繰りが苦しくて支払いができないという場合には、取引先の弁護士とは支払いが可能となる方法についての協議を進めることになります。

また、あなたの商品やサービスに問題があるために支払う意思がないという場合、そのまま手をこまねいている必要はありませんので、速やかに次の手続に進むことができます。

つまり、取引先が弁護士を立てた方が、債権回収に向けた動きが取りやすくなるのです。

法的手続により債権回収

取引先(代理人を含む)との交渉の結果、債権の回収ができないと判断した場合には、法的手続に着手することになります。

この場合、大きく分けて3つの方法があります。

支払督促手続

支払督促手続とは、「支払督促」という書類を裁判所から相手方に送付してもらい、相手方の反論がなければ「支払督促」に記載された債権を公的に認めてもらうことができる手続です。

債権を公的に認めてもらうことができるというのは、強制執行のために必要な条件を満たすことができるということを意味します(これを債務名義といいます。)

しかし、相手方から異議が述べられた場合には通常訴訟に移行しますので、必ずしも効率の良い方法とはいえないという面もあります。

民事調停

民事調停とは、裁判所において、調停委員という第三者を間に入れて話し合いをする手続です。

あくまでも話し合いではありますが、話し合いが成立したにもかかわらず相手方が支払いをしない場合には、強制執行を行うことができるようになります。

もっとも、調停はあくまでも話し合いですので、強制的に支払い約束させることができず、相手方が話し合いを拒否するような場合には、解決には至らないということになります。

民事訴訟

民事訴訟は、債権を回収する方法としては一番の正攻法です。

民事訴訟については「時間がかかる」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実は、裁判が1回で終わるケースも多々あります。

例えば、相手方が第1回目の裁判期日に出頭せず、答弁書も提出していないという場合には、相手方が訴状に記載された事実を認めて争わないものとみなされ、直ちに判決が言い渡されることになります。

また、相手方が裁判期日に出頭した場合でも、事実関係を争うことなく「一括では支払えないので、分割払いにしてほしい。」と和解の申し入れをしてくるケースもあります。

和解交渉がまとまらないときはいつでも和解交渉を打ち切って、早期に判決をもらうことができます。

強制執行による債権回収

これらの法的手続をとることにより、相手方からは任意に支払ってくることがほとんどです。

しかし、中にはそれでもなお支払いをしない取引先も存在します。

このような場合には、取引先の財産を差し押さえる強制執行を行うことになります。

強制執行には、大きく分けて、①不動産執行、②動産執行、③債権執行の3種類があります。

この中で最も多く行われているのが③債権執行です。

この債権執行の中でも、銀行の預金口座の差押えが最も多いといえます。

銀行の預金口座を差押えた場合、回収すべき金額の範囲内である限り、差押時における預金残高を全額回収することができます。

また、仮に預金口座にほとんど預金がなかったとしても、差押えを受けた取引先にとっては営業に重大な支障が生じることがあります。

差押えを受けた場合には、銀行から、預金を引き出すことができなくなるのです。

つまり、預金口座を差し押さえられるということは、取引先にとっては資金繰りの悪化を招くことになります。

そのため、取引先は、差押えを取り下げてもらうために任意に支払う場合もあります。

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