法律相談をする際に持っていくべき資料

法律相談の予約を受けた際に、相談者から「資料としてはどのようなものを持っていけばいいですか?」との質問を受けることがよくあります。

このような質問を受けた際、私は「関係があると思うものはすべて持ってきてください」と回答することにしています。

 

弁護士の仕事は、どのような案件であっても、必ず法律相談を受けることから始まります。

そして、弁護士は相談者からお話を伺ったり事実関係を確認したりしながら事案の内容を把握し、その解決方法を模索するとともに、その見通しを立てることになります。

このような流れの中で、相談者のお話を聞きながら、「そのことの根拠となる資料はお持ちですか?」と確認することになるのですが、その際に「今日は持ってきていません」や「自宅(会社)に置いてきました」と回答されると、弁護士としては「一応その根拠となる資料はあるのだろう」という推測をもとに相談を続けることになります。

ただ、この根拠となるはずの資料の記載内容によっては弁護士が把握した事案の内容を左右する場合があり、見通しを立てるにしてもどっちつかずのアドバイスをすることになってしまいます。

そのような曖昧なアドバイスを避けるためには、根拠となる資料の記載内容を確認してからになるため、後日改めて相談日程等を決めることになってしまいます。

弁護士に相談をするということ自体が初めての方が多く、どのような弁護士なのか、親身になって聞いてくれるのか、怒られたりしないのかなど、不安な気持ちを抱えながらようやく法律相談をする覚悟を決めてきたのに、資料がないからという理由で結局どのように理解したらよいのかわからないようなアドバイスを受けたり、後日相談をやり直さなければならないということだと、「何のために時間を作って相談に来たのかわからない」ということになりかねません。

そのようなことがないようにするために、関係があると思うものはすべて持参していただければと思います。

 

相談者の中には「こんなに資料も持ってきてしまって申し訳ありません。」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

時には紙袋を両手に抱えて持参される方もいらっしゃいます。

弁護士の中には、「この資料を全部見ろということか。」と嫌がる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、私からすると、資料があればあるほど事案の内容をより正確に把握することができますし、資料の記載内容を踏まえて適切な見通しを立てることも可能になります。

時には、その資料の山の中から掘り出し物が見つかり、事態を好転させることができるケースもあります。

まさに、相談者が持参される資料は宝の山なのです。

 

ただし、資料を持参していただく際に注意していただきたいのは、相談者自身がその資料を整理しておいていただきたいということです。

弁護士から「〇〇はありますか?」と尋ねた際に、その資料は持参しているのは間違いないものの、それがどこにあるのかと探すのに手間取ってしまうことになりますし、焦って探すためにかえってなかなか見つからないということもあります。

そこで、資料を持参する際には、相談者自身がどの資料をどのように整理しているのかを把握しておく必要があります。

 

なお、弁護士によっては癖や好みがあるため一概にはいえませんが、私の場合は、資料は時系列に沿って整理しておいていただくことをお勧めしています。

私が法律相談を受ける際には、時系列に沿って事実関係を確認していきます。

その流れの中で根拠となる資料を確認したいという場合に、相談者自身も「ここまで話が進んでいるから、このあたりにその資料がある。」と把握できていれば、すぐに資料を見せていただくことができます。

この流れを大事にして相談者との法律相談を進めることができれば、相談者との相談をスムーズに行うことができます。

 

また、持参していただく資料はすべて原本をお持ちいただければと思います。

相談者の中には、わざわざ資料を弁護士に渡すためにコピーをとって持参される方がいらっしゃいます。

おそらく、弁護士にコピーをとらせたり、コピー代を負担させたりするのは気が引けるということだと思います。

しかし、弁護士の立場からすると、資料の原本が存在するのか、それともコピーしか存在しないのかということは大きな違いがあります。

コピーの場合、偽造や変造ということもあり得ます。

もしその資料を裁判での証拠(書証)として使用するという場合に、原本が存在するのであればその信用性が高い反面、コピーしか存在しないという場合にはその資料が真正に作成されているか争われてしまうことにもなります。

相談から引き続き依頼を受けて事件処理に当たるという場合、弁護士が必要と考える資料はすべてお預かりすることになりますし(後日返却します)、コピーについても弁護士が行いますので、わざわざコピーをお持ちいただく必要はありません。

 

このような点を注意していただいた上で、お気軽にご相談いただければと思います。

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