醜状障害にはどのようなものがあるか

醜状障害は、外貌(頭部、顔面部、頚部等)、上肢、下肢の3つの部位に分かれて基準があります。

外貌醜状(頭部・顔面部・頸部)

等級 後遺障害の内容 労働能力
喪失率
後遺障害慰謝料
(自賠責保険)
後遺障害慰謝料
(裁判基準)
第7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの 56% 409万円 1000万円
第9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの 35% 245万円 690万円
第12級14号 外貌に醜状を残すもの 14% 93万円 290万円

醜状は、原則として、人目につく程度以上のものであることとされています。

頭髪や眉毛に完全に隠れる部分に生じた醜状は評価の対象とはなりません。

著しい醜状を残すもの

頭部

てのひら大以上の瘢痕、又は頭蓋骨においてはてのひら大以上の欠損

顔面

鶏卵大面以上の瘢痕、又は10円銅貨大以上の組織陥没

頚部

てのひら大以上の瘢痕

相当程度の醜状を残すもの

顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上のもの

醜状を残すもの

頭部

鶏卵大面以上の瘢痕、又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損

顔面部

10円銅貨大以上の瘢痕、又は長さ3センチメートル以上の線状痕

頚部

鶏卵大面以上の瘢痕

上肢の醜状

等級 後遺障害の内容 労働能力
喪失率
後遺障害慰謝料
(自賠責保険)
後遺障害慰謝料
(裁判基準)
第14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 5% 32万円 110万円

てのひら大

てのひらから指の部分を除いた面積を指します。

計測の際は、被害者のてのひらを使用します。

下肢の醜状

等級 後遺障害の内容 労働能力
喪失率
後遺障害慰謝料
(自賠責保険)
後遺障害慰謝料
(裁判基準)
第14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 5% 32万円 110万円

てのひら大については上肢と同様です。

外貌醜状による労働能力喪失

外貌醜状とは、外貌(頭部、顔面部、頚部等)に瘢痕、線状痕、組織陥没が残った状態をいいます。

外貌醜状の後遺障害には「外貌に著しい醜状を残すもの」(7級、労働能力喪失率56%)、「外貌に相当程度の醜状を残すもの(9級、労働能力喪失率35%)、「外貌に醜状を残すもの」(12級、労働能力喪失率14%)があります。

このような外貌醜状に関しては、例えば欠損傷害や機能障害のような身体の機能を制限するような後遺障害とは異なり、労働能力に直接影響するとは通常考えられません。

したがって、保険会社との示談交渉の段階では、外貌醜状による逸失利益については争いとなることが多く、その発生を否定されることがほとんどです。

このように保険会社が主張するのは、判例の中にも労働能力喪失はないとして逸失利益を否定したケースが存在することを根拠にしています。

もっとも、例えば被害者が女性で、芸能人やモデル、接客業(ホステスなど)の容姿が重視される職業の場合には、ファンが減少する・露出度が減少する・来客数が減少するなどの悪影響が出ることもあります。

また、その他の職業であっても、醜状痕を原因として、例えば営業職から事務職へ配置転換されたり、職業の選択にあたっての範囲が狭くなってしまうなど、労働能力そのものに直接影響が出るケースもあります。

また、対人関係に消極的になったり、第三者の目が気になり労働意欲が低下してしまうなど、間接的に労働能力に影響する場合もあります。

このような場合には外貌醜状による逸失利益を認めている裁判例もあります。

このように、外貌醜状による労働能力喪失率の認定は、被害者の年齢・性別、醜状の内容・程度、現在従事している職業や将来の職業への影響、対人関係に対する影響などの諸事情を総合的に考慮して判断されることになります。

なお、外貌醜状による労働能力の喪失は認められないとして逸失利益の発生が否定された場合でも、後遺障害慰謝料を増額して認定する場合もあります。

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