18才未満の子供が交通事故に遭った場合の損害賠償請求

集団登校中の小学生の列に車が突っ込み、小学生が死傷するというニュースが報道されることがあります。

子供がいる親御さんにとってみれば、子供には交通事故の被害に遭わせたくない、遭ってほしくないと願っていることでしょう。

しかし、交通事故は日常的に発生しており、いつ誰がその被害に遭ってもおかしくありません。

また、子供を同乗させているときに交通事故に遭ってしまい、子供が巻き込まれてしまうというケースもあります。

そこで、今回は、18才未満の子供が交通事故の被害者に遭ってしまった場合の損害賠償請求についてまとめてみたいと思います。

損害額の算定については裁判基準による場合を想定しています。

最後まで読んでいただければと思います。

交通事故発生から治療終了(症状固定)まで

診療費・治療費・入院費用など

交通事故に遭った場合にまず必要となる支出は医師による診療・治療のための費用です。

ケガの内容によっては入院が必要になる場合もあります。

この診療費・治療費・入院費用などは交通事故による損害にあたります。

原則として実費全額が損害として認められます。

入院雑費

子供が交通事故の被害に遭って入院を余儀なくされた場合、入院中には日用雑貨・栄養補給費・通信費・新聞雑誌・テレビカード・家族の見舞いのための交通費などいろいろな雑費がかかります。

この入院雑費も交通事故による損害にあたります。

裁判基準では入院1日あたり1500円として算定されます。

仮に30日間入院したという場合には、1500円×30日=4万5000円となります。

入院付添費

一般的には「医師の指示または受傷の程度、被害者の年齢などにより必要がある場合」には、入院付添費は交通事故の損害にあたるものと考えられています。

子供が交通事故にあって入院した場合、例えば子供が幼児や小学生などであれば付添が必要であったと考えられますので入院付添費が損害にあたるものと考えられます。

また、子供が高校生であったとしても、重篤な場合にはやはり付添が必要であったとして入院付添費が認められると考えられます。

裁判例としては、遷延性意識障害(いわゆる植物状態)や高次脳機能障害(脳の損傷によって起こされる様々な神経心理学的障害)のケースで中学生や高校生の入院付添費が損害として認められたケースがあります。

入院付添費については、職業付添人の場合には実費全額、近親者付添人の場合には1日につき6500円が損害として認められます。

ただし、症状の程度や被害者が幼児・児童である場合には、1割~3割の範囲で増額を考慮することがあります。

また、付添いの必要性が認められるのは必ずしも入院全期間ではなく、入院期間中の付添いの必要性が具体的に認められる期間に限られます。

付添人の数については、原則として1人であり、職業付添人と近親者の双方の付添いの必要が認められることはありませんが、被害者の症状が非常に重篤である場合には、期間を限定したうえで、2~3人の付添いが認められることもあります。

完全看護の場合

ここで問題となるのが、保険会社から「入院先の病院は完全看護だから、入院付添費は支払いません。」といわれるケースです。

完全看護(基準看護)というのは、患者の家族などの付添人が必要ない体制を意味します。

完全看護の体制を整えている病院の医師が入院患者の付添を指示するということは考えられません。

そのため、保険会社は、家族の付添の必要はないとして、付添費を支払わないと主張してくる場合があります。

しかし、裁判実務では、入院先の病院の看護体制によって判断するのではなく、看護師による看護だけでなく家族などによる付添が必要か否かにより判断しています。

先ほど挙げた高次脳機能障害のケースでも、裁判所は

「完全看護体制をとっていたとしても親族の付添看護は必要であったと認められる」

と判断して入院付添費を損害として認めています。

親が仕事を休んで入院に付き添った場合の補償はどうなるか

子供の入院に付き添うために親が仕事を休んだ場合には、原則として、近親者の休業損害相当額と近親者の入院付添費の高いほうを認めます。

ただし、これには上限があり、職業付添人を雇った場合の日額を限度として認められます。

仕事を休んだ場合でも現実に収入が減少していない場合には休業による損害は発生していませんので、近親者の入院付添費の金額で認めることになります。

なお、近親者の入院付添費には、付添人に生じた交通費・雑費その他付添看護に必要な諸経費を含むものとされていますので、特別の事情がない限り、これらの費用が別途損害として認められることはありません。

通院交通費

通院のための交通費も交通事故による損害にあたります。

この通院交通費は、基本的には公共交通機関の利用金額ですが、例外的にタクシー料金が認められる場合もあります。

自家用車で通院した場合には、ガソリン代が通院交通費として認められます。

ガソリン代の計算は、1㎞あたり15円で計算します。

例えば、片道2㎞の病院に30日通院した場合、ガソリン代は2㎞×2(往復)×30日×15円=1800円となります。

通院付添費

通院の場合も、医師の指示があるか、傷害の部位・程度や年齢などから、子供が一人で通院することが困難な事情がある場合は、通院付添費が損害として認められます。

この場合には1日につき3300円が損害として認められ、事情によって増額される場合があります。

学習費・保育費・通学付添費など

被害者の被害の程度・内容、子供の年齢、家庭の状況を具体的に検討し、学習や通学付添の必要性が認められれば、妥当な範囲で損害として認められます。

例えば、事故による入院や傷害の影響で進級や卒業が延びてしまった結果、余計に費用が掛かってしまうことがありますが、このような費用が損害として認められる場合があります。

裁判例の中には、女子高校生が入通院のため1年休学したために退院後1年前後にわたる補習を受けることになった際の補修費が損害として認められたケース(横浜地裁昭和57年1月28日判決)があります。

また、ケガをしたことによって無駄になった支払い済みの教育費(授業料)や通学定期代などを損害として認めた裁判例もあります。

さらに、3歳女子の付添看護のため母親が2歳と0歳の乳幼児2人の面倒を常時みることが困難となり保育所に預けざるを得なくなった場合に、保育園・幼稚園に入園させることが一般に見受けられる満4歳なるまでの保育料を損害として認めた裁判例(山口地裁平成4年3月19日判決)があります。

通学付添費については、脳挫傷で後遺障害等級5級の認定を受けた高校生が1年間留年した学費のほか、1年分の通学付添費として日額3000円を損害として認めた裁判例(横浜地裁平成11年2月24日判決)があります。

休業損害

休業損害とは、交通事故により受けた障害の治療のため休業を余儀なくさえ、その間収入を得ることができなかったことによる損害をいいます。

休業損害は、事故当時の収入に休業期間を乗じて計算されます。

休業損害=1日の基礎収入×休業期間

学生・生徒の場合には、そもそも就労の事実がないため、原則として休業損害は発生しません。

ただし、アルバイト収入を得ている者については、休業損害が認められる場合があります。

その場合には、給与所得者の場合と同様に、会社から休業損害証明書を発行してもらう必要があります。

卒業・就職時期が遅れた場合

治療が長期に及んだ結果、学校の卒業や就職時期が遅れる場合があります。

そのような場合には、通常どおり就職していれば得られていたはずの給与額が損害として認められます。

裁判例としては

  • 高校3年生(女子)について、事故(昭和61年1月14日)に遭わなければ昭和62年4月1日から就労したと認められるとし、平成元年4月18日に結婚しているが家事労働を含めて平成5年7月12日(症状固定)まで就労不可能であったとして、賃金センサス女性高卒年齢別平均を基礎に、年度ごとに休業損害を算定したケース(横浜地裁平成10年6月8日判決)
  • 高校2年生(男子)につき、事故がなければ高校卒業と同時に就職して高卒男性年齢別の平均収入を得ることができたとして、高校卒業年の4月1日から症状固定まで230日間分の休業損害を認めたケース(前橋地裁高崎支部平成18年9月15日判決)

などがあります。

傷害慰謝料

交通事故によって傷害を負った場合、被害者は加害者に対して、精神的苦痛を被ったことを理由として慰謝料を請求することができます。

この場合の金額は、子供であるからという理由で増減したり、性別や年齢によって左右されるということはなく、同じように算定されます。

具体的な算定方法については「交通事故による傷害慰謝料の算定方法」をご覧ください。

後遺障害が認定された場合

逸失利益

逸失利益とは、交通事故によって失われた将来得られたはずであろう利益のことをいいます。

後遺障害による逸失利益は、以下の計算式によって算定されることになります。

後遺障害による逸失利益=1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

後遺障害による逸失利益についての詳しく知りたいという場合には「後遺障害による逸失利益とは何か」をご覧ください。

学生・生徒・幼児等の逸失利益を算定する場合には、賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均の賃金額を基礎収入とします。

女子年少者の逸失利益については、女性労働者の全年齢平均賃金ではなく、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金で算定するのが一般的です。

労働能力喪失率については、各後遺障害の内容によって「後遺障害等級」が定められており、それぞれの等級ごとに労働能力喪失率も決められています。

具体的には、自賠責保険支払基準別表第Ⅰ労働能力喪失率表に規定されています。

労働能力喪失期間については、原則として症状固定日が労働能力喪失期間の始期になりますが、18歳に達しないうちに症状固定となった場合には18歳とされています。

労働能力喪失期間の終期は、原則として67歳とされています。

このようにして算出した労働能力喪失年数と症状固定時における年齢をもとに、該当するライプニッツ係数を乗じることになります。

例えば、交通事故の被害に遭った男子中学生(15歳)が平成28年に症状固定となり、後遺障害として8級の認定を受けたという場合、逸失利益は

平成27年賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均489万2300円×労働能力喪失率45%×15歳の場合のライプニッツ係数15.695=3455万3091円

となります。

後遺傷害慰謝料

交通事故によって傷害を負った場合、被害者は財産的な損害を受けるだけでなく精神的な苦痛も被ることになります。

特に後遺障害が残ってしまったような場合にはその精神的苦痛も大きなものとなります。

そのため、後遺障害が認められる場合には、傷害慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求できることになります。

後遺障害慰謝料の金額は、子供であるからという理由で増減したり、性別や年齢によって左右されるということはなく、同じように算定されます。

具体的な算定方法については「交通事故による後遺障害慰謝料の算定方法」をご覧ください。

近親者の慰謝料

子供が交通事故に遭って後遺障害の認定を受けたという場合、近親者の精神的苦痛は計り知れないものと思われます。

しかし、民法711条は近親者に対する損害の賠償について

他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

と規定しています。

この条文を反対解釈すると、生命を侵害していない場合には近親者に対する損害賠償義務はないということになります。

もっとも、最高裁は昭和33年8月5日判決において

「民法709条、710条の各規定と対比してみると、所論民法711条が生命を害された者の近親者の慰籍料請求につき 明文をもつて規定しているとの一事をもつて、直ちに生命侵害以外の場合はいかな る事情があつてもその近親者の慰籍料請求権がすべて否定されていると解しなければならないものではなく、むしろ、前記のような原審認定の事実関係によれば、被上告人B2はその子の死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を受けたと認められるのであつて、かかる民法711条所定の場合に類する本件においては、同被上告人は、同法709条、710条に基いて、自己の権利として慰籍料を請求しうるものと解するのが相当である。」

と判示しています。

この最高裁判例により、子供が遷延性意識障害や高次脳機能障害などの重度の後遺障害の認定を受け、そのことで死亡に比肩するような精神的苦痛を受けたという場合には、近親者についても慰謝料が認められる場合があります。

その場合の金額はケースバイケースにより判断されることになります。

将来の介護費用

交通事故の結果、子供に遷延性意識障害や高次脳機能障害、四肢麻痺などの重い後遺障害が残ってしまった場合、一生介護が必要になることがあります。

この場合の将来の会議費用については、医師の指示または症状の程度により必要がある場合には、交通事故の損害として認められることになります。

将来介護費の計算方法は以下のようになっています。

請求できる日額×365日×平均余命までの年数に対応するライプニッツ係数

日額については、職業付添人は実費全額、近親者は8,000円とされています。

ただし、具体的看護の状況により増減することがあります。

平均余命とは、ある年齢の人があと何年くらい寿命があるかというデータ上の平均値です。

この平均余命については、厚生労働省が「簡易生命表」として公表しています。

ちなみに、平成 27 年簡易生命表によると、男の平均寿命は 80.79 年、女の平均寿命は 87.05 年でした。

将来介護費の算定にあたっては、症状固定とされた子供の年齢と性別ごとの平均寿命をもとに平均余命を計算し、その年数に対応するライプニッツ係数を乗じることになります。

例えば、交通事故の被害に遭った男子中学生(15歳)が平成28年に症状固定となり、後遺障害1級の認定を受け、将来にわたり近親者による介護が必要であると認められる場合、その将来の介護費用は

8000円×365日×65年に相当するライプニッツ係数19.161=5595万0120円

となります。

将来の雑費

将来の介護費用と同様に、重い後遺障害が残ったという場合には、おむつ代などの介護雑費が必要となります。

この場合には、入院雑費と同様に、将来の雑費として1日1500円として平均余命までの介護雑費を認めた裁判例や、導尿用カテーテルなどを考慮した月額を算出した上で平均余命までの介護雑費を認めた裁判例があります。

その他(家屋のリフォーム代・障害者用車両の購入費)

後遺障害が残ったという場合、その後遺障害の内容や程度によっては、自宅をリフォームしたり、障害者用の自動車を購入しなければならないという場合があります。

この場合の自宅の改造費や自動車の購入費などが交通事故による損害として相当額が認められることがあります。

死亡した場合

葬儀費用

死亡事故の場合には葬儀費用の支出を余儀なくされます。

これも交通事故による損害にあたります。

葬儀費用として認められる金額は原則として150万円とされており、これを下回る場合は実際に支出した額が損害として認められます。

香典については損益相殺を行わず、香典返しは損害とは認められません。

逸失利益

死亡による逸失利益の算定については、以下の計算式によって算定されることになります。

死亡による逸失利益=1年当たりの基礎収入×(1-生活費控除率)×稼働可能期間に対応するライプニッツ係数

死亡による逸失利益についての詳しく知りたいという場合には「死亡による逸失利益とは何か」をご覧ください。

学生・生徒・幼児等の基礎収入は、後遺障害による逸失利益と同様に、賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均の賃金額を基礎とします。

女子年少者の逸失利益については、女性労働者の全年齢平均賃金ではなく、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金で算定するのが一般的です。

稼働可能期間の始期については原則として18歳、終期は原則として67歳とされています。

このようにして算出した労働能力喪失年数と死亡時における年齢をもとに、該当するライプニッツ係数を乗じることになります。

また、生活費控除については、男児の場合は50%、女児の場合には30%とされていますが、女子年少者の逸失利益について男女を含む全労働者の全年齢平均賃金を基礎を基礎収入とする場合にはその生活費控除率を40~50%とするものが多いといえます。

例えば、交通事故の被害に遭った男子中学生(15歳)が平成28年の事故で死亡した場合、逸失利益は

平成27年賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均489万2300円×(1-生活費控除50%)×15歳の場合のライプニッツ係数15.695=3839万2324円

となります。

死亡慰謝料

子供や幼児が交通事故によって死亡したという場合、裁判基準による慰謝料の金額は2000万円~2200万円とされていますが、これは具体的な斟酌事由により増減されるべきであり、一応の目安を示したものとされています。

近親者の慰謝料

民法711条は近親者に対する損害の賠償について

他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

と規定していることから、交通事故により子供が死亡した場合には、近親者固有の慰謝料が認められることになります。

もっとも、上記の死亡慰謝料の金額には近親者固有の慰謝料が含まれていると解されています。

過失相殺

子供自身の過失

子供が交通事故に遭った場合、それが自動車の運転者の過失のみによって発生するとは限らず、子供が急に飛び出したことや、横断歩道を赤信号なのに渡ろうとしたことも原因となっている場合があります。

そのような場合には、過失相殺として、損害額が一定の割合で減少することになります。

交通事故の実務では、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準・全訂5版」(別冊判例タイムズ第38号)が基準とされています。

「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」とは、東京地方裁判所の交通専門部の裁判官が過去の裁判例をもとにして作成した基準であり、単なる1つの研究結果としてではなく、もはや実務上の指針にまでなっている基準です。

実際の裁判実務では、概ねこの認定基準に沿って判断がなされており、保険会社も示談交渉の段階で過失相殺を主張する場合にはこの認定基準を利用しています。

この認定基準において、「児童」とは6歳以上13歳未満の者をいい、「幼児」とは6歳未満の者をいうとされています。

これらは道路交通法上の定義でもあります。

「児童」「幼児」に該当する場合には、大人や14歳以上の者の場合と比較して、5%~20%程度、過失が少なくなるように修正されています。

これは、児童や幼児の場合には、判断能力や行動能力が低いと考えられていることによります。

もっとも、「児童や幼児の場合には過失がない」となるわけではありません。

例えば、青信号にしたがって自動車が直進しようとした場合に、直近の横断歩道が赤信号であるにもかかわらずその横断歩道以外の場所を横断しようとした歩行者と衝突したという場合、基本の過失割合は車30対歩行者70です。

その歩行者が児童であった場合には車40対歩行者60、幼児であった場合には車50対歩行者50となります。

このことからも、たとえ小さな子供であったとしても、事故状況によっては損害額が大きく減額となってしまう場合があります。

余談ではありますが、最近、小さな子供を連れて横断歩道を信号待ちしていた母親が、車が来ていないことを確認して、赤信号であるにもかかわらず、子供の手を引いて横断歩道を渡っていく場面を目撃しました。

幸い事故にはなりませんでしたが、もしそれが常態化してしまい、子供が自分の判断で渡ろうとして交通事故に遭ったら・・・とぞっとしたことがあります。

同乗者の場合(シートベルト不着用)

シートベルトをしていたか否かということと、交通事故が発生したこととの間には直接の関係はありません。

しかし、シートベルトを装着していなかったために被害者がケガをしたとか、あるいはケガが重くなったという場合、シートベルトを装着していなかった被害者には過失相殺がされています。

最近の裁判例をみると、シートベルトを装着していなかった被害者の過失割合については、概ね10%~20%程度として扱われています。

シートベルトは生命や身体を守るためにも必要なものですが、十分な損害の賠償を得るためにも重要なものといえます。

請求権者となるのは誰か

傷害・後遺障害認定の場合

損害賠償を請求できるのは本来であれば被害者である子供自身ですが、民法上は20歳未満の未成年者の場合には法定代理人である親権者が請求することになります。

この場合、夫婦がともに親権者である場合には夫婦が一緒に請求することになります。

仮に離婚して夫婦の一方が親権者であるという場合には、その親権者のみが請求することができます。

ここで問題となるのが、子供と一緒に交通事故に遭い、子供は一命を取りとめたものの、親権者が亡くなってしまったという場合です。

この場合には、離婚する際に親権者とならなかった親が自動的に親権者になるわけではありません。

つまり、子供にとっては法定代理人である親権者がいない状態となります。

この場合には、後見人を選任して、その後見人が損害賠償を請求することになります。

死亡事故の場合

交通事故により子供が死亡したという場合には、子供が取得した損害賠償請求権については相続が発生します。

したがって、子供の年齢を考えると両親が相続人となります。

そして、損害賠償請求権は遺産分割の対象とはならずに、法定相続分の割合により当然に承継することとなります。

ここで問題となるのが、夫婦が離婚していたという場合です。

夫婦が離婚したからといって親子関係が終了するわけではありません。

したがって、交通事故により子供が死亡した場合の損害賠償請求権は、離婚した両親が相続することになります。

もし仮に親権者となっていた親が再婚し、その再婚相手と子供が養子縁組をしていた場合には、実の両親と養親が相続人となります。

その場合の法定相続分の割合には優劣はありません。

最後に

ご自分の子供が交通事故に遭うということは、ご自分が交通事故に遭うことよりもショックが大きいと思います。

だからこそ、しっかりとした知識を身につけることで、子供を守るために何をするべきかを考えていただくきっかけにしていただければと思います。

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