養育費を支払ってくれない場合の対処方法と強制執行について

離婚した際に決められた養育費を支払ってくれないという相談を受けることがよくあります。

離婚後のトラブルとして最も多いのが、この養育費の不払いの問題です。

子供を養育するにあたっては当然お金が必要ですし、相手方から支払われる養育費をあてにして生活設計を立てているという方も当然いらっしゃいます。

したがって、養育費を支払ってくれないというのは、死活問題であるともいえます。

もっとも、養育費を支払ってくれない場合の対処方法は、離婚の際の手続や、離婚成立時に書面などを作成しているか否かによって異なることになります。

また、強制執行により養育費の滞納分を回収しようという場合でも、相手方の職業により何を差し押さえるのが得策かが異なることになります。

そこで、養育費の不払いに対する対処方法と、強制執行について解説したいと思います。 “養育費を支払ってくれない場合の対処方法と強制執行について” の続きを読む

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仮差押えの手続とメリット・デメリットについて

「貸したお金を返してくれない」「売掛金を支払ってくれない」など、支払いに応じない債務者から債権を回収するためには、民事訴訟を提起し、裁判所から勝訴判決を得て、相手方の財産を差し押さえるなどの強制執行を行うことが必要になります。

この一連の流れは一般的なものですし、債権の回収方法としては正攻法といえるでしょう。

しかし、実際に民事訴訟を提起して裁判所から勝訴判決を得るためには数ヶ月を要することがあります。

時には年単位の時間がかかってしまうことさえあります。

その間に、相手方の財産がどんどんなくなっていき、勝訴判決を得た時点ではすでに何も残っておらず、差し押さえる財産がないということになってしまうと、債権の回収は不可能となってしまいます。

このような事態が生じないようにするための手段を「民事保全」といいます。

このうち、最もポピュラーである仮差押えの手続と、そのメリット・デメリットについて解説したいと思います。 “仮差押えの手続とメリット・デメリットについて” の続きを読む

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裁判とは似て非なるもの-調停とは何か

「このケースはまず調停から始めなければなりません。」「このケースは裁判よりも調停の方が解決しやすいと思います。」など、弁護士にとってみれば「調停」という制度はよく利用する手続ですし、ごく一般的な用語として使用しています。

しかし、一般の方々にとっては、「そもそも調停って何?」「調停ってどのように行われているの?」と思われるかもしれません。

そこで、今回は、「調停とは何か」について説明することにします。

裁判と調停の違い

裁判という言葉を使う場合、一般的には「訴訟」と同じ意味で使われます。

しかし、本来の意味での裁判は、訴訟に限らず、裁判所(裁判官)が判断を下すことを意味します。

具体的にいうと、判決だけではなく、裁判所による決定や命令、家事事件における審判も裁判です。

このように、裁判というのは、裁判所(裁判官)が行う判断全体を意味するということになります。

他方で、調停というのは、あくまでも話し合いの延長ですので、解決するかどうかは当事者の意思で決まります。

その意味では、裁判と調停とは違うということになります。

「裁判で決着を付ける」といっておきながら調停を申し立てるというのは、厳密にいうと、間違っているということになります。

調停委員は民間人

調停の際には、調停委員と話をすることになるのですが、この調停委員のことを裁判官であると思われる方が多くいらっしゃいます。

しかし、調停委員はあくまでも民間人です。

裁判官が調停を行うこともありますが、その場合には裁判官として調停に立ち会っています。

一般の方が裁判官と話をするということは抵抗があるかもしれませんが、調停委員という民間人と話をするだけだと思えば、多少は気持ちも楽になると思います。

調停委員も、当事者の緊張を和らげるように配慮していることがあります。

調停に欠席するとどうなるか

当事者同士の話し合いでは進展しないときに、裁判所が間に入ってもらって、話し合いをするというのが調停です。

ただ、「話し合いでは進展しないとき」には、「話し合いをしているが、平行線である」という場合もあれば、「こちらは話し合いで解決しようと思っているのに、相手が話し合おうとしない」という場合もあります。

このような場合、前者であれば、裁判所に間に入ってもらうことにより当事者双方が歩み寄りを見せて解決することが可能となります。

しかし、後者の場合には、たとえ調停を申し立てたとしても、調停を欠席することがあるということを意味しています。

この点、裁判の場合には、当事者が欠席した場合、相手方の主張している事実については争わない意思を示したものとして、裁判所が判断を下すことができます。

しかし、調停はあくまでも話し合いですので、当事者が欠席したからといって、相手方の主張している事実について争わないという意思を示したものとまではいえません。

その結果、調停に欠席し、以後も出席する意思を示していない場合には、調停としては不成立とならざるを得ないということになります。

調停はどのくらいの期間がかかるか

「調停はどのくらいの期間がかかりますか」と質問されることがあります。

調停はあくまでも当事者の話し合いの延長であって、調停委員が間に入って話をしているにすぎません。

したがって、「調停がいつ終わるか」というと「話し合いがつくか、話し合いでは解決できないという結論が出るまで」ということになります。

早く調停を終わらせる方法はないのかという質問もよく受けるのですが、最も早く調停で解決する方法は、「相手方の主張や要求・条件を全て受け入れること」ということになってしまいます。

しかし、それが納得できないからこそ、話し合いでの解決ができずに調停を行っているのであって、早く終わらせたいからといって相手方の要求をすべて受け入れるというのでは本末転倒であるといえます。

ご自身の納得がいくまで調停を続けることの方が重要であるといえます。

調停委員が決めるのか

調停委員はあくまでも当事者の間に入って話し合いを進めていく立場ですので、調停委員が裁判官のように判断を示すということはありません。

時折、調停委員が「その条件は認められない」とか「その要求は通らない」などということもありますが、それはあくまでも調停委員の個人的な見解であったり、相手方の言動を踏まえて「相手方が納得するとは思えない」ということを言っているにすぎません。

もし調停委員がこのようなことを言ったとしても、「相手が受け入れるかもしれないのだから伝えてほしい」という意思をきちんと示す必要があるといえます。

調停はあくまでも話し合いです。

話し合った結果、納得できてはじめて調停が成立したといえます。

最終的に決めるのは、当事者自身であるということを忘れてはなりません。

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借りた金を返さないのは詐欺か

相談者から「友人から『絶対に返す。迷惑はかけないから金を貸してほしい』と頼まれたからお金を貸したのに返してくれない。これは詐欺ではないのか。」といわれることがあります。

相談者にすれば、その友人が「絶対に返す」「迷惑はかけない」と言ったから貸したのに返済してくれないという意味では「だまされた」という気持ちが強いため、「だました=詐欺」というように考えるのでしょう。

そのお気持ち自体は理解できるのですが、弁護士の立場からすると、このような場合には「だまし取った金を返せ」というよりも「貸した金を返せ」とした方がよいケースがほとんどです。

友人が詐欺行為を行ったという場合、その友人には「お金を借りる時点で返済する意思も能力もなかった」ということが要件になります。

そして、そのことを相談者自身が証明する必要があります。

友人が金を借りる時点で「実際には返済する意思はなかったのだ」ということを証明することは至難の業です。

しかし、貸した金を返せという場合には、「友人との間で返済するという合意があった」ということを証明すれば足ります。

現にその友人が「絶対に返す」と言っていたのであれば、この点は容易に証明することができます。

また、その友人が少しでも返済したことがあるという場合には、「金を借りた時点で返済する意思はなかった」ということとは矛盾する行動ですので、詐欺には該当しないという判断になります。

他方で、「返済する合意があったからこそ実際に返済したのだ」ということがいえますので、この点でも貸した金を返せといったほうがよいということになります。

このように、相談者のお気持ちと弁護士が選択する方法とが必ずしも合致しないケースがあります。

しかし、「金を取り戻す」という目的自体は同じです。

そして、その目的を達成するための最善の方法を提案するのが弁護士の役目です。

決して相談者のお気持ちをないがしろにしているわけではありません。

相談者ご自身の考えている方法とは別の方法を弁護士が選択しようとしていることについてご不明な点がある場合には、納得がいくまで弁護士に説明を求めるべきだと思います。

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