本当に有利?調停委員を味方につけることはできるのか

家庭裁判所で離婚や遺産相続などの調停を行う場合、裁判所から選任された調停委員が間に入って協議を進めていくことになります。

「この調停委員を自分の味方につけることができるか」

という質問を受けることがありますが、それに対して

「できません。」

と回答しています。

なぜそのような質問をされるのだろうと思い、いろいろと調べてみたところ、どうやらインターネット上で「調停委員を味方につけるべき」だとか「味方につけるためには弁護士が必要だ」などというサイトがあるようです。

もし、現実に調停委員を味方につけているなどという弁護士がいたとしたら、それは明らかな不正であると思いますし、その調停委員も失格ですし、家庭裁判所も即刻閉鎖するべきだと思います。

調停委員は決して味方になってくれるわけではありません。

むしろ、敵のように感じることの方が多いと思います。

それには明確な理由があります。

例えば、あなたが調停の申立人として左端にいるのに対し、相手方は右端にいるとします。

その中間に調停委員がいるという場面を想像してみてください。

では、調停委員はあなたのどちら側にいますか?

答えは「右側」です。

つまり、相手方と同じ側にいるわけです。

そのため、調停委員があなたに対して何かを言ってきた場合、それは相手方と同じ方向にいる人からの攻撃を受けているのと同じように感じてしまうことがあります。

このような状況になると、調停委員を「味方」ではなく「敵」と感じることになるわけです。

では、「味方」になってくれることはないにしても、せめて「味方のように感じる」ことはできないでしょうか。

このことについては、「できる」という回答になります。

そのためには、あなたが調停で主張したいことを調停委員に「理解してもらう」ことが必要です。

あなたの主張を理解してもらうことによって、調停委員の「共感を得る」ことができます。

共感を得ることができれば、あなたの主張の内容を「熟慮してもらう」ことができるようになります。

熟慮してもらうことによって、あなたの主張の内容を「斟酌してもらう」ことができます。

その結果、調停委員は伝言ゲームとしてではなく、あなたの「よき理解者」として、あなたの意思を深く読み取って、相手方に対して伝えてくれるようになるのです。

では、どのようにすればよいのでしょうか。

この点については「こうすればよい」という答えはありません。

調停委員にもいろいろな方がいて、いろいろな考え方をお持ちですので、一概にはいえないからです。

ただ、「やってはいけない」ことはあります。

それは、「相手方の悪口を言わない」ことです。

調停委員は、調停の当事者双方から長い時間にわたって話を聞く必要があります。

それが仕事だといえばそれまでですが、やはり人間です。

他人の悪口を散々聞かされるというのは決して気分のいいものではありません。

そのような気分になってしまうと、あなたの主張を理解しようとはしてくれないでしょう。

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